TRと富野監督と、そしてエヴァ
今だから語れる・・・?




<I>アニメーション作家vs映画監督

(この項、ブログ「月の裏」に書いた内容をそのまま使用)

単刀直入に本題。
次回、NHK「トップランナー」のゲストは、庵野秀明。
以上・・・。


いや、本当に単刀直入に言うと、2年遅れだザマーミロ!
えっと、トップランナー(以下、TRと略)放送に一年のブランクがあったので、
実際は1年・・・!
いや、放送順序を競うんじゃなくて、富野御大は第二期TR(MCはな&田辺誠一)に
出演で良かった〜!
いや、実際は、第二期のスタジオ・セットはよくってもMCはダメだ!
TRって、番組公式サイトによると、
>「トップランナー」は、映画、音楽、文学、アート、スポーツなど、各ジャンルの第一線で活躍する
>文字通り<トップランナー>を毎週1人(組)スタジオに招き、その魅力や人気の裏側にある秘密や
>本音、活躍に秘められたエピソードや意外なヒストリーに迫る、カルチャー・トーク番組です。

すなわち、トップランナー=その世界の第一人者、をゲストに招き話を聞く番組です。
だから、そのゲストの引き出しを開けるMCはゲスト並か以上に第一線で活躍した人でなくては、
ゲストの素にある味を引き出せないと思う。

TR第一期MC、大江千里(ミュージシャン、「カッコ悪いふられかた」でチャート1位?)
         益子直美(元女子バレー日本代表)
TR第二期MC、はな(モデル、現役?)
         田辺誠一(俳優、モデル上がり?)
TR第三期MC、本上まなみ(女優)
          武田真治(俳優)

まず、確実に司会(放送時の年齢)の年齢が低年齢化しているのが頂けない。
何も、タモリやさんま、黒柳徹子、等の年長者の司会者が良いというわけではない。
ただ、番組名がそうであるのだから、前述のように司会者は確固たる地位を築いた人こそ、
ふさわしいし、良い番組になると思う。

その点、第一期は、大江千里は音楽業界で、益子直美は女子バレー界での成功があった後の
司会業。(まぁ、大江千里は現役ミュージシャンだったわけだが)
第二期は、・・・。はなちゃんはモデルとしてそれなりに成功を収めているのかもしれないが、
田辺誠一は飛びぬけた俳優か?(彼は元モデル?)
第三期・・・。これも中途半端。癒し系女優・本上まなみ、武田真治は特徴的な俳優
(特徴的な演技はデビューが数年か?)兼ミュージシャン兼コメディアンかもしれないが、
どれも中途半端!
というわけで、これだけ見ても司会者にふさわしいのは、
(過去に確固とした実績を残した)第一期のペア!

もう一つの観点から見ると。
まず司会者ペアの専門の組み合わせ。
第一期、ミュージシャン+スポーツコメンテーター(元スポーツ選手)
第二期、モデル+俳優(元モデル?)
第三期、女優(正式には俳優)+俳優(+α)
一目瞭然でしょ?
現芸能界はモデル≒俳優であるから、二期以降は両MCの職種が近すぎるんだよ!
第三期に至っては、武田真治の+αはあったとしても、どっちも俳優だよ!
バカじゃないの!
あ〜あ〜、疲れた、この長文書いてて!

で、何が言いたかったかといえば、どうして富野御大はアニメーション作家なのに、
庵野さんは映画監督なの?

御大は「劇場版∀ガンダム」公開時に、庵野氏は「キューティーハニー」公開直前に
TR出演な訳でしょ。肩書きは自己申告なのかな?
両者の映画の違いってアニメか実写かってことでしょ・・・?

<蛇足>
今回も、スタジオではカンペに赤字(手書き)で「ガンダムをどう思うか聞いて!」とか
指示出していたのだろうか?>TRスタッフ

以上、奇跡の2001.2.17を超えて



<II>TR第三期

何なの〜、あのオープニングは。
いくらMCが役者だからってドラマ仕立てにしなくてもいいじゃない!
っていうかさ、いつからTRってこんなおしゃれな番組になったの!
TRは平日の深夜にこっそりやってくれれば良いんだけど(笑)
NHK的には、総合→教育の狙いは何だったのだろう?
スタジオセットも第二期までに比べて、アーティスティックな雰囲気で、
おしゃれな若者に媚びているようで嫌だな。
どうせなら、若者路線でデジスタやってるBS1か、マニアック系で攻めるならマンガ夜話の
BS2でやれよな!

あんまり第三期を見ていないのに、色々言って申し訳ないが。
特に、今回だけなのかもしれないが、司会の二人の衣装が黒くてセットに埋もれてる感じがする。
ゲストを際立たせるための演出なのだろうか、司会者の服の色は?

何気にチャンネル回したらやっていて見たりした回数が一番多いのが第一期なのだが、
ちょっと前過ぎてスタジオの雰囲気を覚えていないのが残念だ。
第二期は、自分自身が収録に行ったので、よく覚えているが、白が基調で全体的に
明るくカラフルだったおもう。
第三期は黒が基調でシック(?)にお洒落感を狙っているのだろうけど、狙いすぎているというか。
ゲストが入ってくる扉の両脇の電光掲示板がうざい!
自分が第二期に行ったからって、それを贔屓に見ているわけでもないが(現に第一期が一番
良いセットだと思うし)、ちょっと落ち着かないよ、あれは。


<III>イントロダクション

 ゲストの入ってくる扉の造りは良くなったみたいだね。第二期は裏側もろにベニヤ板
じゃなかったっけ?
扉の裏側(スタジオ・セットに対して)まで写してたっけ?
扉から、セットのイスまで近すぎるね。あれじゃ、御大のロボ・ウォークは堪能できなかったし、
同志Bの失笑する姿もカメラに映らない(笑)


>本上「庵野さん、立派な耳ですね。フフフフフっ・・・」
俺、本上まなみ嫌いってわけじゃないけど(前は結構お気に入りだったけど・・・)、
いきなりそう入りますか?失笑というか、本気で笑ってません?

いやぁ、庵野氏の顔をきちんと見たのって初めてだよ、多分。
名前しか知らないもん。エヴァ以前の経歴だって知らなかったし。


>本上「あのですね、とり・みきさんという漫画家の忘年会で向かいの席だったんですよ」
俺の頭のリンクができた。(シナプスが結合した)
週アスに今は連載終了してしまったが、「ニュースの海を旅する(著:後藤貴子・後藤弘茂)」
という電脳ニュース(デジタル業界のニュース)をネタに未来を面白おかしく考察する的
エッセーでお気に入りの連載があった。
このページに4コマ漫画があってそれが、とり・みき作であったのだが、
私は今年の2月までその4コマで使われているネタが使徒だったとは知らなかったのだ!
この連載、290回が最終回で、八割五分は読んでいた(読めなかったのは海外出張に
行ってた間のみ)が、どのあたりから使徒ネタが使われたかはわからないが、
とり・みきの一方的なSF作品ファンという気持ちだけで使われていたわけではないんだ、
と妙に納得してしまった。


>庵野「石井さん位ですね」
ちょっと〜、TV慣れ、っていうか不特定多数に対して話し慣れしてないでしょ?
石井さんて誰よ?石井竜也(←俺脳内検索最上位)?
武田真治と競演=実写映画に役者として出た、って話で映画に出てるのは結構多いのかと、
本上に聞かれての、庵野氏の回答が上の言葉。
何だよ、庵野信者ならわかるって言うのか?
そしてNHK!誰でも知っている説明テロップの表示が長すぎて、トークと連動してないんだよ!
「石井さん」と言って一呼吸したら、即「石井さん」に関してのテロップ入れろよ!


>「新世紀エヴァンゲリオン」「不思議の海のナディア」など、ヒット作多数。
(庵野秀明氏紹介テロップより引用)

ナディアって見たことないんだよね。ガイナックスが関わってたのは知ってるけど。
それで、教育テレビでナディアの再放送してるんだ(笑)


>本上「この番組に出演していただくために、かなり前からオファーしていたみたいなんですけど」
(うん、うん、と2回大きくうなずく武田真治)

この本上まなみの他人事のように、「オファーしいてたみたいなんですけど」
ってのはさ、ただ単に裏方仕事までは知らないってこと?
それとも、一年のブランクを差っ引いても(≒かなり前)第二期の中盤以前から出演交渉を
していたのだろうか?


>本上「ずぅ〜っと、断りつづけてられて」
>庵野「えぇ」
>本上「今回やっとという感じで」
>庵野「まぁ、やむなしで」
>(一同笑い声)
>本上「ハハハァ〜・・・、やむなし?」
>庵野「別にトップでもないのに、何でトップランナーというタイトルに出るんだろう?」
>本上「いや、いやぁトッ」(語尾をかき消される)
>庵野「出たくない」

これは、素直に受け止めていいの?
庵野氏は謙虚なの?
って言うか、その言いようシンジそのもの?
(見た目は、シンジの親父・碇指令に似てるけど)

>本上「でもトップですよね?」
>庵野「いやぁ、トップじゃないです。見た目がそう見えたのは、それは周回遅れなだけです」
>庵野「周回遅れでトップに見えているだけです」

う〜ん、オンエアをリアルタイムで見たときも、そして今これを執筆するために録画したものを
再度見たのだが、俺が思ったことは同じだった。
一番わかりやすく言えば、富野氏の「エヴァを潰す!」発言への返しのように受け止められる。
ロボットもの先駆者(先行者?)の富野氏に「”エヴァでやったこと”含め、すべて自分が
やりたかった(ロボットアニメに関して)」発言を受けて、
「それは違います。斬新や新鮮に見えたのは、前後に走者が無かっただけで、基礎は諸先輩方が
築いたものですよ」
と言っている様に受け止めちゃったんだけど、俺は。
都合よく解釈しすぎ?


<IV>映画監督への布石としてのアニメーター?

 率直に言ってね、俺は富野監督のことほど、庵野監督のこと知らないよ。
富野監督のこと知ってるといっても、いわゆる「ガンダム」以外の作品は、幼心に流れているのを
見ていたくらいだし。多少は著書を読んでるけど。

 で、庵野さんは自分の業界での生い立ちを語るのはいいとして、どうしてアニメーションの
製作過程まで説明しているのだろうか?
トップランナーを見るような大人のアニメファンにとっては蛇足でないか?区分わけと
その工程ごとの職種名を語らなくていいって!
それとも、純粋にトップランナーという番組のファンがいて、その人はゲストがどの業界の
誰であれ、たとえ知らなくても楽しく見ている、という人も想定、編集時にカットしなかったのだろうか?
そうだ、別に庵野さんは好き勝手にしゃべってもいいんだ。局側(編集側)の問題だ。
まさか、御大の時とは正反対で、45分番組としてのトークパートの最低時間を確保するために、
こんなどうでもいい説明トークまで入っているのだろうか?


>武田「アニメータ時代の庵野さんは、あのぉ・・・、カリスマといわれるほどの
>   評価が高かったんですって?」
>庵野「当時カリスマって言葉は無かった思うんですけど」
(観客の笑い声、こける武田真治)
なかなか鋭い切り返し!
とりあえず、俺はアニメファンではないから、カリスマ扱いだったのか知らない。
(単なるガンダム好き。エヴァも敵を知るために見ているようなもの)



<V>巨神兵が・・・、ドーン!

俺ね、かなり昔からナウシカ好きなんだけど、ここ最近なんだよね、庵野氏が巨神兵担当だったと
知ったのは。
で、TVKのsakusakuでジゴロウが「巨神兵が・・・、ドーン」ってやってるけど、
俺的には巨神兵なんてどうでもいいんだよね、ナウシカを見る際。
メーベでナウシカが空飛ぶのが気持ちよさそうだったり、腐海の存在理由への関心はあるけどね。
別に、滅んだ文明の最終兵器の形状がドロドロだろうがなんだろうが。

だから、俺ナウシカ好き→無意識に庵野氏の仕事に感激!ってオチにはなってません。


巨神兵が溶けるシーンについて
>庵野「失敗です」

>「原画と原画の間に動画が3コマで5枚なんですよ。これあのー宮さんの指示で。
> これは中(なか)5で良いって言うんで、素直に中5にしたんすけど。
> あの時なんで抵抗して中(なか)7にしなかったんだろうって、今でも悔しいです。」

>「中7にした方が絶対よかったですよ」

>「あれから宮さんの言うことは聞かなくなりました」

TR「アニメーション作家 富野由悠季」の時、客席から”同業者の宮崎駿さんをどう思いますか?”
と質問があったとき、富野氏は”彼はよくやっていると思います”と答えていた。
宮崎駿を賞賛する人・記事はたくさんあるが、よくやっていると思いますなんて言っちゃえるのは
富野御大くらいだと思っていた。御大は、同業といえども畑が違う、といった感じの冷静な視線で
語っているように思えた。

庵野氏の発言は、氏が宮崎氏と仕事をしたことで、自分のこだわりは捨ててはいけないと
言うことを学んだということであろうか?
国語力が乏しいのでうまく表現できないが。庵野氏の言葉は、あくまで宮崎監督は大先輩だが、
同業者としてライバル視というように受け取れる。

対宮崎駿監督を通して、富野監督、庵野監督の姿勢の違いが明確に現れてないだろうか?


蛇足だが、押井守監督も宮崎駿監督と接点があったということを知ったときは驚いたものだ。
御大と漫画家・手塚治虫氏との接点は有名だが、宮崎駿監督とは接点あったのだろうか?



<VI>エヴァンゲリオン

>庵野「まぁ、監督ぐらいしかもうやれることがなかった」
(自身でアニメータとしての限界を感じたことを受けて)

えっ!そうなの?
”監督ぐらいしか”って、監督って最後に行き着く職種か?
監督やらせてもらえたと、チャンスをもらったように言ってもいたが、それにしても
言い方ってものがあるだろうに・・・


(エヴァの映像が流れる)
>ナレーター「・・・ロボットアニメの王道を行くかに見えた作品ですが次第に複雑な展開に
        主人公の碇シンジをはじめさまざまなトラウマを抱えた登場人物たちのドラマに、
        宗教や哲学の要素が絡みあいます。」
(映像終わり)


やばい、まだ半分しかエヴァ見ていない俺にとっては、見てはならぬ映像が含まれていた(に違いない)。
完全に全部見ていない俺が偉そうに庵野批評して良いのだろうか(笑)?
いや、良いに決まっている。頑なに否定していたこの私をその魅力に惹きつけつつあるのだから(爆?)


>本上「あのぅ、ものすごい・・・、熱狂、だったと思うんですね。本当に社会現象
>   まさに社会現象という形になったと思うんですね。
>   今振り返ってみるとそれは何がそうさせたんだろうって考えてらっしゃいますか?」
>庵野「なんか、内面的なものを見てみたい雰囲気が、ばぁ〜っとあのころ増えたんだと
>   思いますね。」

エヴァンゲリオンの放送は95年でしょ。どのクールに放送されていたのか知らないし、
いまやナローバンドに属する128Kbpsのモバイル速度で、この私がエヴァに関して検索するのは
言語同断なので(?)調べないが。
語られつくしているだろうが、95年って地下鉄サリン事件の年だよね、確か。
庵野氏の言うところの”内面的なものを見てみたい雰囲気”って言うのは、サリン事件とか
社会的な事件が背景にあったと言うのもあるんだろうね。


>本上「ものすごく、心情を、こう(内面から出すと言う感じのジェスチャーを交え)・・・
>   言葉にして出すって言う主人公だったりとか、そういうところがものすごく
>   印象に残っているんですけども。みんな、そういうものも求めていたって言うこと
>   なんですかね」

心情を言葉にして出すって、アムロやシャアやセイラやカイもやってるよ!
彼らよりシンジの方が深いって言うのかよ!


>庵野「当時はそうじゃないすかね。
>   う〜ん、僕自身そんなに哲学知らないんですよ。あんまり哲学的なことはやってない、
>   今までもエヴァもそういう風に言われてますけど、あれは哲学ではなく衒学(*)、的なんです。
>   知ったかぶりって言うのが一番、なんか、近い表現だと思うんですけど。
>   よく知らないけど、こういう言葉使ってれば賢そうに見える、(一同どよめき)
>   それがエヴァですね。」
(*)NHKテロップ引用 衒学(げんがく):知識があることを自慢すること。
   広辞苑 第五版(電子版)引用 衒学:学問のあることをひけらかし、自慢すること。

意図的に確固とした哲学的なこと組み込んでたら、それはアニメじゃなくて宗教になってしまうのでは?
現に、つい最近エヴァに影響され実の母親を殺害したと言う青年(少年?)の事件があったからね。
一歩間違えば新興宗教のレッテル貼られてしまうよ。


>庵野「でもそれは、賢そうに見えるところが、なんかこうパっと見た目かっこいい、
>   とかですね、なんか裏があるかもみたいな、そういうところに行くので、
>   それはそれで、そういう方法論だったんですけど。」


この私も、その方法論の餌食になりかけているのか!
そして、このサイトの「語る」シリーズこそ衒学的では・・・?


>庵野「僕にとってフィルムはサービス業なんですよ。」
>(MC陣感嘆省略)
>庵野「少なくともサービス業である以上、お客さんに何かしら、
>   何かそういう良かった感みたいなものあげなきゃいけない。
>   あげなきゃいけないというか、何かあのぉ、をフィルムの中には入れとかなきゃいけない、
>   と思うんですね。
>   そこで、あのぉ何だろう、エヴァの場合はちょっと効きすぎた感じがしてですね。」
>(MC陣感嘆省略)
>庵野「現実逃避の、何て言うんですか、拠りしろとか、あとは現実から、
>   あのぉそこに逃げ込む装置みたいなものにされつつあるのが、
>   すごく見てて嫌だった。
>   映画になったときは、あのぉ元々そういう予定だったんですけど。
>   あのぉお客さんには、取り敢えずは水をかぶせて、何か目を覚まして帰って欲しい。
>   そういうのがあります。
>   まぁ、僕にとってはそれもサービスなんです。お客さんにとってそれはいいことだと思う。
>   あのまま、あのぉそのぉ居心地の良い所にずっと居て、それもひとつのサービスだと
>   思うんですけど、エヴァの場合はそれはもうやっちゃいけない気がしたんですよね。
>   少なくとも、あのぉ目を覚ます、のきっかけみたいなのを入れきゃいけない、
>   それがお客さんにも良いことなんだろうって、
>   いうことで最後は、そういうことやってましたけど、僕にとってはそれもサービスなんです。


現実逃避の拠りしろ、現実逃避の装置。
まだ、半分しか見ていないが、確かに、あの世界はある意味で”居心地の良い世界”だと思う。
ガンダムのように遠すぎる近未来でも、パトレイバーのように明らかに”連続的な”近未来でもない。
ここで”連続的な”と表現したのは、「セカンド・インパクト」といわれる事象後の世界だから。
まだ、今の私は「セカンド・インパクト」の全貌を知らないが。
つまり、シンジ達の生きる世界は表面的には(地上世界の街並み)現在とほぼ変わることはないが、
その裏で目を見張るような未来の世界=テクノロジーが存在している。
ここが、目の肥えた(いわゆる)(SF)アニメ好きにとって、居心地の良さそうな世界に
見えてきたのだと思う。
製作者自身が、そのあたりを認識し、問題意識を持ったのは、
人気に奢れることなく、クリエーターとして賞賛に値すると思う。

(私にとっては、むしろ連続的な近未来で、テクノロジー的にも突出してない
パトレイバーの世界の方が居心地良い気がする。単に特車2課の雰囲気か・・・?)

さて、その居心地の良さを、劇場版にて修正したという(注:筆者の勝手な解釈)話だが。
その「裏切られる」的趣旨は、私がエヴァを見始めた当初、同志Bから得た情報にも
一致するようにも思われるが。
一度、エヴァの世界に足を踏み入れてしまった私である。この際、徹底的にエヴァ作品を
鑑賞し、斬りまくってやる(笑)!

まぁ、このTRの庵野氏の発言がすべてであるわけでも、100%真実であると盲目的に
信じるわけではないが、すべての元凶が庵野氏であるわけでもなさそう、なのかな?
あれっ?、俺にしては毒がないまとめ方・・・?



<閑話休題1>導かれしデジスタ

参りました。導かれたようにデジスタ見てしまった。
いやね、出張で韓国に滞在したときに、暇つぶしにリアルタイムで受信していたBS放送を
何気なく見ていたときに初めて出会ったデジスタ。
寮を転々としてBSが見られる環境になったとき、極たま〜に見ることはあったけど。

どういうわけか、放送後2週間経とうとしても、いまだTR庵野秀明を斬っている私であるが、
その執筆を中断してデジスタを見始めたら・・・。

初めはね、宇多田ヒカルの旦那が紹介されたり、香取慎吾主演のハットリクンの映像が流れたり
そう今日のテーマは視聴者投稿ではなく、クリエイターズ・ルームズというプロがピックアップ
される回、それも最近流行の原作がマンガ・アニメを実写化した作品の紹介ばかりであった。
(NHKなのに宣伝しすぎじゃないの?)

そしたらね、当然、来るじゃないですか、キューティーハニーつまりは庵野監督!
でも、デジスタの庵野氏は”斬る”対象ではなかったかも。
残念ながら録画してないので、今まで以上に”記憶”に頼って語ります。

で、どうして”斬る”に値しないか?というよりも突っ込みどころに乏しかったです。
わかったことは、TRの庵野氏は言わば、不特定多数の人が見ることが可能な地上波向けの
着飾った庵野氏であったと言える。
地上波は古くても安物でも普通のTVで受信できるが、アナログとは言えBSはチューナーと
BSアンテナがないと見られないからね。CATV等が普及しているとは言え、BS見られない
世帯もいまだ多いと思うが。

まずね、庵野氏の髪型がね、わざとなのかボサボサだったのよ。
TRでは髪型もきっちりしていたし、服装もシックに決めてるよね。
デジスタでの(スタジオ収録ではなくインタビュー形式だったが)服装は多分仕事着。
でね、やたら饒舌だったのよ。
質問者が中谷日出というキャリア(?)がインタビュアーと言うこともあってだろうが、
庵野氏は気持ちよく自分の思いを語っているように思えた。

そして、衝撃の発言!
これからは経験がものをいう。知識はインターネットで探せる時代、経験が勝る。
頭の中でやるのは終わり
とおっしゃっておりました。
これって、エヴァの時代(衒学的)は終焉したと言うこと?
自らアンチ・エヴァ宣言?



<VII>太陽の塔と、夢の未来都市・・・?

ゲストのお気に入りをランキングする、Favorite 5「庵野秀明が選ぶ大好きな建造物」
第一位 東京タワー(新造時)
第二位 黒四ダム
第四位 大阪・万博公園の太陽の塔
(私の気になった物のみ)

こんなコーナーあったの?という突っ込みは置いといて。


第一位の発表は庵野氏自身の口からと促されて
>庵野「やはり東京タワー」
>武田「”やはり東京タワー”がわかんないんですけど。」

だから、武田真治&本上まなみ、ではダメなんだよ!まず年代が違う。
若いを売りにするのは良いかも知れないが、二人のMCの年齢が近すぎる。
どちらかに良識と経験を備えた重鎮タイプが欲しかった。
自分達の視点で考えてはダメなんだよ。彼らにはゲストの視点で見るという姿勢が欠けている。
俺は、本上まなみとは同い年だし、武田真治だって同世代だ。
俺だったら、庵野氏の言葉を聞いて、やっぱりと思うね。
だってさ、大好きな建造物を選んだとして、わざわざ最近のものを選ぶとは考えにくいよね。
大好きなものってそれなりに思い入れの深いものだから、最近のものよりも過去のものが
圧倒的に多いと思うんだよね。(まぁ、選ぶカテゴリーにもよるだろうけど)
だとしたらね、子供のときの憧れとかって大人になったって大きいと思うんだよね。
司会陣と同世代の俺は、子供の頃、東京タワーは”やはり”シンボリックで好きなと言うか
憧れ(=未来都市的)の建物だった。
(あれ?でもこれってどこで育ったかが問題?俺の育ったあたりでは冬の夕方に小さくだが
東京タワー見えたんだよね。そのせい?)
庵野氏は新造時の東京タワーが良く、現在はアンテナがついたり、(航空法が改正されて)カラーリング
が違っていると、こだわりを見せていたが、司会陣にはそのこだわりが理解できていなかった。
どうして、司会陣はそのこだわりがわからないのか、私にはわからなかった。
むしろ、そういうこだわりがあってこそ、アニメーターや映画監督を含めて
広義の意味での真のクリエーターになれると思うのだが。
あ〜あ〜、司会者に才能がないせいで、庵野氏の不遇に同情してしまう(笑)。


>庵野「いやぁ黒四ダムは良いですよ。実際行ったらホントにスゲぇと思いますよ」
>庵野「プロジェクトXでもやってますから見てください。」

この場合、全員が局の人間ではないが、MCは製作側ニアリーイコール局(NHK)
だからプロジェクトXネタはMCが言うべきではないか?
武田真治もミュージシャンの肩書きをいまだに冠しているなら、
「地上の星」ロングランヒット→プロジェクトX→黒四ダム←紅白←中島みゆき
これくらいの教養は身につけておきましょう!


さて、前項<VI>エヴァンゲリオンで触れた「居心地の良い世界」≒「近未来」を
再度念頭において頂いて、次行からを読み進めていただきたい。

このランキングを見て、正直驚かされたのが、大阪万博の太陽の塔だ。
またかよ!と思ったのが第一印象だ。
「20世紀少年」には主人公・ケンジたちの少年時代の思い出として登場する大阪万博を
象徴するものとして太陽の塔が出てくる。
そして、2002年度下期NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」にも太陽の塔は出てきた。
主人公・満天(宮地真緒)の父親(赤井英和)の若いときの思い出のシンボルとして
太陽の塔が使われている。

1975年生まれの私にとっての万博と言えば、つくば万博EXPO'85である。
あの宇宙人(?)を模したキャラクターは今でも鮮明に覚えているが、
残念ながら太陽の塔に匹敵するシンボルは私の思い出にはない。
強いて挙げれば、JRの手によらないリニア・モーターカー”HSST”だろうか。

太陽の塔というのは、ある世代にとってよほど強烈なものであったのだろうか?

では順に、これら3作品の作者の生年月日を調べ比較してみよう!
Yahoo! Japanにて検索(強いてgoogleは使ってない)

(1)浦沢直樹
1960年1月2日生 出身地:東京都
(情報源:浦沢直樹考生年月日(誕生日)データベース(1月2日)

(2)マキノノゾミ
1959年9月29日生 出身地:静岡県
職種:劇作家・脚本家・演出家
(情報源:マキノノゾミ プロフィール
正直このページアクセスして驚きました。女性だと思っていたら、口ひげダンディーな紳士だったとは!

(3)庵野秀明
1960年5月22日生 出身地:山口県
(情報源:Yahoo!ムービー庵野秀明

(4)大阪万博
1970年3月14日〜9月13日開催
(情報源:懐かしの大阪万博
正直このサイトの要約が検索結果に表示されたとき、リアル20世紀少年?と思った。


さて、上記(1)〜(4)を見れば一目瞭然だと思うが、私の予想通り、浦沢直樹氏・庵野秀明氏・
マキノノゾミ氏の3人は同世代、というよりもほぼ同年齢だ。浦沢直樹氏とマキノノゾミ氏は同学年、
庵野氏は学年的には一つ下だが、浦沢氏と4ヶ月しか違わない。
そして、彼らが10歳前後の時に大阪万博が開催されている。
これは私のお得意の勝手な推測だが、3者の作品に”太陽の塔”が出てきたのは単なる偶然ではない。
少年期の鮮烈な思い出の大阪万博、それを象徴する太陽の塔。
一番わかりやすいのが、浦沢氏の「20世紀少年」ではなかろうか?主人公のケンジとその一派(+α)
の目を通して描かれているが、それはまさしく浦沢氏の見た(聞いた、体験した)大阪万博
そのものだと思う。
マキノ氏脚本の「まんてん」でも主人公・満天の父親の宇宙への憧れとリンクするシンボル
として描かれているが、それはマキノ氏の世代の少年時代の原風景とオーバーラップしていると思う。

以上より、庵野氏が大好きな建造物のベスト4に太陽の塔を入れたのは、当然といえるのかもしれない。
と言うよりも、もっと上位にしてよ〜、どうせなら(笑)

(俺らの世代にとっての「太陽の塔」は何だろう。ガンダム?ファミコン?・・・?)


「居心地の良い世界」≒「近未来」だが、奇しくもエヴァンゲリオンの舞台2015年、
20世紀少年の西暦の終わる年=2015年、なのである。

この2015年という年号に関しては「エヴァを語る」でも触れているネタだが。
興味深いのは、両者の描く近未来がある一点違うということ。
両作品ともそれぞれの世界観で2015年のテクノロジーが存在している。
エヴァでは表面世界は20世紀末となんら変わらない世界として存在しているが、
(物語の展開上もあるのだろうが)20世紀少年でのそれは「昭和」世界が広がっている。
(ケンジ達の少年時代である昭和40年代よりも以前の街並み)
面白いよね。浦沢氏の発言を収集してないから如何とも言い難いが、「居心地のよい世界」
だか「理想の世界」では年代にして30年以上の開きがあるのだから。
こういうものは作者の考え・感性・感覚が鋭く反映される部分だと思うので。


<閑話休題2>東京タワー

TRではキューティーハニーがそんなにピックアップされていたわけではないので気づかなかったのか。
(番組の流れの順序の問題か?)
TRで東京タワーのカラーリングについて熱く語っていた庵野氏を見た後、デジスタでの
キューティーハニーの(メイキングを含めた)映像を見ていたら、東京タワー(特撮だからミニチュア)
に目を奪われた。
庵野氏のあのこだわり様だから、きっと特撮用に作った東京タワーのカラーリングは
建造時のものを採用したんだろうなぁ〜。

ところで、やっぱり専用機材(チューナーやアンテナ)の必要なBSの方が規制がゆるいのだろうか?
キューティーハニーやデビルマンの映像をメイキング含めて流しすぎ。
それかあれかな。これらの作品って特定のTV局の製作ではないから?
やっぱりBSの敷居と考えたいね。TRは地上波だから過去のエヴァを今頃あんなにクローズアップ
したんだろうな。
まぁ、富野御大の時もファーストやZの話がメインだったけどね。



<VIII>ウルトラマン

もう一つ、謎が解けた。

>本上「すごくこう印象に残っているその当時(注:少年時代)見ていた、何かテレビの番組とか
>   アニメとか漫画とかそういうものありますか?コミックなんか?」
>庵野「まだあのぉ、幼稚園の頃だったと思うんですけど、最初のウルトラマンは衝撃でしたね。」
>   多分、あれが今でも引きずってると思うんですけど、ウルトラマン見たショック、
>   ショックみたいなのが(?←語尾が良く聞き取れん)

エヴァンゲリオン(兵器そのもの)って顔立ちとか、フォルムとか、どこかウルトラマンっぽいな
と思っていた俺の感想って間違ってなかったんだね。人間らしい動きとか。
不思議だったんだよ、どうしてあんなにも曲線的なフォルムなのか。
顔も決してカッコイイわけではないし。
ウルトラマンに影響受けているとわかって、妙に納得。
(俺はタロウ世代だもん。)


「帰ってきたウルトラマン」監督・主演(ウルトラマン)庵野秀明
という、学生時代の自主制作映画には驚いた。
NHKのテロップ引用 >自主制作ながら、完成度の高い特撮映画。
>庵野は素顔で、ウルトラマンを怪演した。

>原著作:円谷プロダクション
いや〜ウルトラマンカラー(注:ウルトラマンは体の配色の割合により、ウルトラマンタイプ=
銀色が多い、セブンタイプ=赤の割合が多い、に大別できる、はず)なのに、メガネで変身したり
体はウルトラマンカラーなのに素顔だったり、笑える。
確かに出来は素晴らしい。
一種のパロディーものでも、原著作と表記すればOKなのか?
商売してないし・・・?



<閑話休題3>再びウルトラマン

前述の導かれるように見たデジスタの庵野氏インタビューのコーナーでは
こちらでも氏が学生時時代に作った「ウルトラマン」の映像が流れた。
(こちらでも原著作とテロップが出た)
でも、TRよりも長く他の場面も見られて良かった。(←って俺は庵野ファンか?)
ビデオ(広義のビデオ)録っておけばよかった・・・。



<IX>Face to Faceはjamへ・・・?

ゲストへの観覧者の質問コーナーは健在なのね。
でもjamって何の略?

あれっ?手を上げてる観客側もカメラに写してるよ!
>庵野「いっぱいでよくわからない。自分では決めらんないですよ。じゃ、近くの方。」
これでは私は指名されない・・・。
っていうか、質問がテロップ(テキスト化)になってないんですけど?
どうよ、同志B?
これって、私へのあてつけ?
と思ったら、要約されて表示された。それも庵野氏が答え始めてから・・・。


スタジオ観覧者募集の通知(告知?)が出るタイミングは同じなんだね。
(質問コーナーの後。TR庵野氏を斬るよりもTR第三期を斬る、になってきたな)



<X>かなりのマニアか?

庵野氏は視野が狭いと言うか、専門バカ(失礼!いい意味で)か?
ただ単に人前(TV)で話すのが苦手か話し慣れてないか。
というのは、アニメと実写の(監督としての)違いを説明するのだが・・・。

>庵野「実写はそうじゃないんですよ。現場に行ったら雨。でも今日これ録らなきゃいけない
>   と言うときに、台本は晴れって書いてあるのに雨じゃどうしようもない。
>   けど雨で何とかしなきゃいけないって言うイメージ通りにまったく行かないんです。」

あのね、庵野さん、庵野さんは認識してないのかもしれないけど(→俳優として認めてない?)
武田真治も本上まなみも一応役者だよ。ドラマも映画もそれなりに経験してる人に向かって
そういう言い方ってある?それとも敢えて視聴者向けに気を使っているの?
「武田さんや本状さんもご存知のように、現場に行ったら雨ってことはよくあるじゃないですか?」
的に相手を意識してしゃべってもらいたかった。
しかし、庵野氏の人間性が垣間見られるようで、庵野初心者の私としては面白かったかも(笑)


良い事も言うね。
今のアニメは量産されすぎてるって。スタッフが集まらないって。
確かに、連続アニメなのに回によって質が明らかに違うのってあるよね、あんまりアニメなんて
見ないけど。
でも、今の地上波のアニメの多さは知ってるよ。
MONSTERはクオリティーを保ち続けられるかな?


<おまけ>

あのぅ、わたくし予備知識に乏しくて申し訳ないんですが。
素人的意見として書かせていただきます。
庵野秀明氏の奥様は漫画家・安野モヨコだということですが、
アンノつながりは洒落ですか?
結婚する前から安野ってペンネーム(?)だよね?
それから、安野モヨコさんインタビュー画面で、安野さんの仕事机(?)に
何気なく結婚式のときと思われるツーショットの写真が(ピンボケとは言え)飾られているのは
あまりにわざとらしいので止めてもらいたかった(笑)
せめてエヴァ・グッズかハニー・グッズにしておこうよ!


長々と語ってきた(斬ってきた?)「TR庵野氏」だがこれで終わりである。
これから、この満2週間に及ぶ執筆期間に中断していたエヴァを語るを再開するわけだが、
その中でこのTR及びデジスタを見たことによって新たな切り口が展開されるかもしれない。

あと同志Bから「この勢いでナウシカDVDコメンタリーモードも斬ってくれ」と要望があったが、
どうして今の手元にナウシカのDVDを持ってきていることを知っているのだ(笑)?
余力があれば斬ってみたいが。
目指せ、1000本斬り?そうすれば俺も御大に近づける・・・?



終わり